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【非定番教材を作ろう】沈括「雁蕩山成因」:古代知識人の科学的思考を解読する。

漢文組版の正解が知りたい。

本記事は下記からダウンロードできるプリント教材,沈括「雁蕩山成因」に関する記事コンテンツです。ぜひダウンロードしてお楽しみください!

ダウンロード(2MB)

※本記事は第一学習社の国語教科書風プリントコンテンツを配信する記事です。実際の紙面ではありません。このデータは無料で提供されていますが,再配布は禁止されています。このデータは,教育機関での利用または非商用目的でのみ使用することができます。このデータを、第三者に再配布することは禁止されています。

 

 

 

非定番教材に込めた想い

 

今回,弊社の国語編集者であるうさぎさんが,何やら変わった企画を立てたらしい。うさぎさん,「非定番教材」って何ですか?

教科書によく掲載されている教材のことを,「定番教材」って言いますよね。「非定番教材」とは,つまり「定番教材」以外の教材のことです。

「定番教材」っていうと,たとえば芥川龍之介の「羅生門」とか?

そうそう,よく教科書に載っているから,多くの人が一度は読んだことがある作品ですよね。

そういうよく知られた作品以外ということだから,つまりマイナーな作品ということでいいのかな?

マイナーと言ってしまうとちょっとあれですが…。とにかく,定番とされているもの以外から新しい素材を見つけてきて教材化したいという考えなんです。

ふーん,それで今回うさぎさんが見つけてきたのが,沈括(ちんかつ)の何とかっていう作品なわけね。うさぎさんは漢文が専門だから,漢文教材なのかな?

そうです。「ちんかつ」じゃなくて「しんかつ」ですけどね。

それが普通の人にわからないあたり,すでにマイナー感が漂っている…。じゃあ,なぜ「非定番教材」を作ろうと思ったの?

少し大げさに言えば,漢文に対する偏ったイメージを払拭するためです。漢文というと,どういう教材を思い浮かべますか?

うーん,高校の時に習ったのは,『論語』とか『史記』の「鴻門之会」とか,あと李白の漢詩なんかも読んだ気がする。

ChenDaoIsHere, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

 

ですよね。そういった定番教材をメインに勉強したのなら,中国人に対して,仁がどうたらと言ったり,戦争をしたり,友達との別れがつらいと嘆いたりしているばかりの人たちという印象をもっているんじゃないですか?

そこまでは思っていないけど(笑)。まあたしかに,漢文で扱われている内容ってだいたいそういうイメージではあるよね。

でしょう?だからこそ,定番以外の作品を取り上げることで,そのイメージを変えたいと思ったんです。

それはわかったけど,そもそも「定番教材」って,重要な作品だから定番になったんじゃないの?それ以外の作品をわざわざ教材化する必要って本当にあるのかな?

「定番教材」が素材としてとても良いのは確かですよ。

「定番」として現場に残っているからこその,教え方の知見も豊富です。

でも,それ以外に取り上げるに値する作品がないということにはならないんじゃないですか?

たとえば詩でいうと,唐代の詩は,現在残っているもので5万数千首,次の宋代のになると,25万首以上にもなるんです。

その中に「定番教材」には見られないものの見方や考え方・心情なんかを含んだ良質の作品が眠っている可能性は大いにあると思いますが?

長いよ。

すいません,パッションが抑えきれなくて。

なるほどね…だんだんうさぎさんの考えていることがわかってきたよ。つまり,我々は「定番教材」の枠の中でしか漢文を知っていないと。

そうです!!「非定番教材」を読むことで,漢文には皆さんの知らない豊かな世界がまだまだ広がっているのだということを感じてほしいんです。

何だか僕も読みたくなってきたよ。

 

沈括「雁蕩山成因」

 

今回のプリント資料は下記からダウンロードできます。A4✕3枚です。

ダウンロード(2MB)

 

本文

教科書”風”紙面1

 

さて,初回となる非定番教材に選ばれた沈括「雁蕩山成因」はどういう作品?

この作品は,雁蕩山という世にも奇妙な形をした山脈の成り立ちについて考察した文章です。

作者の沈括は今から千年くらい前の人ですが,実に客観的にこの山の形状を観察し,根拠をあげつつ推測を行っています。

皆さんにはぜひ,現代文の評論を読むような感覚で彼の思考のプロセスをたどり,“漢文にもこんな科学的な内容の文章があるんだ!”ということを知ってもらいたいと思います。

2枚目に白文バージョンがあるね?

白文プリント

 

白文プリントは返り点と送り仮名を振る練習にご活用ください。

至れり尽くせりじゃん。

パッション

 

言語活動

教科書”風”紙面2

 

言語活動も用意してくれたみたいだね。

はい。天下の奇峰である雁蕩山は,昔から中国の文人たちの創作意欲をかきたててきました。

日本で同じような存在の山といえば,やはり富士山でしょう。

ここでは,雁蕩山について詠まれた漢詩と,富士山を取り上げた和歌を読み比べる活動を設定しました。

それぞれの作者が,自分たちの思いをいかに名山に託したか,その違いを読み味わってもらいたいと思います。

ちなみに,雁蕩山はユネスコの世界ジオパークに認定されています。ジオパークは,本来は地理で扱う内容ですが,分野横断的な学びの一助になればと思い,左側の会話文の中で取り上げました。

Link: ユネスコ世界ジオパーク:文部科学省

 

この教材の活用を通して,旧来の“The 漢文”的な中身を脱した学習を行ってもらえたらと思います!!

パッション

 

 

Googleフォームによる観点評価

 

評価問題まで作ったって?

Google Form

 

以下に,「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」をはかるためのGoogleフォームをご用意しました。学習後の振り返りにご利用ください。

docs.google.com

docs.google.com

 

本当に至れり尽くせりだね。

前半の語句・句法が40点満点,後半の内容の確認が60点満点の,合計で100点の構成にしました。

スコアが最後に確認できます,登録不要で使えます。

これを基にした授業実践や,記事の感想があったら,Twitter経由などでぜひご一報ください。

twitter.com

 

漢文,たのしいよ。

 

 

参考:雁蕩山