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【海外ニュースを読む】Wimbledon to have maximum capacity crowds from quarter-finals onwards

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All england lawn tennis club centre court | Published on July 11, 2018

 

Introduction

この連載では,教科書では採り上げられないような,海外の不思議で面白いニュースやタイムリーなニュースを紹介していきます。ちょっとした息抜きに読んで(先生なら授業のアイスブレーキングに使って)みるのはいかがでしょうか?

今回は2021年,最近の記事になります。『ウィンブルドン大会,準々決勝以降の観客動員数を最大化へ』という記事です。このコロナ禍のなかでの大規模なスポーツイベントを最大キャパシティでの開催。その決定の背景を簡単に解説していこうと思います。

 

www.reuters.com

まずは気楽に読んでみましょう!とても短い記事です。

この英文記事の解説は,下記Pickupに続きます。

 

 

Pickup

ここでは読解のポイントになる単語や文法事項,背景の文化を引用+解説の順で紹介していきます。本文記事のパートごとに見出しで分けています。記事と合わせて読むことで理解を更に深められます。

 

Title

Wimbledon to have maximum capacity crowds from quarter-finals onwards

ニュースの見出しでは未来のことを表すのにto-不定詞を使うことが多いので,最初の部分はWimbledon (is going) to have ...みたいな感じで読みましょう。

quarter-final(s)は「準々決勝」という意味,一つのトーナメントにquarter-finalは4試合あることになります。ちなみに「準決勝」はsemi-final(s),「決勝」はthe finalとなります。

from ... onward(s)で「…以降」なので,「準々決勝以降」という意味です。

 

Body texts

Wimbledon will have capacity crowds from the singles quarter-finals onwards as COVID-19 restrictions on attendances are relaxed, the All England Club announced on Sunday.

前半は見出しと同じような内容を言っています。

「ウィンブルドンはシングルスの準々決勝以降観客を収容することができる」の理由がas以下に述べられています。

COVID-19 restrictions on attendancesは「COVID-19による入場制限」くらいでしょう。それが... relaxed「緩和された」ということです。

 

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Wimbledon, London, United Kingdom | Published on July 7, 2019

Attendances have been capped at 50% since the start of the tournament last Monday although next weekend's finals were to rise to 100% on the 15,000-capacity Centre Court.

capはここでは「…の上限を定める」という意味です。主にイギリス英語での用法です。(ロイター通信はロンドンに本社を置く通信社です。)

なので,この文の前半は「先週月曜日のトーナメント開始以来入場者数は50%に制限されている」という感じです。(現在完了形なので,この記事が書かれた時点でもまだ制限されているということですね。)

 

After a successful opening week, the Championships have now been given permission to operate at full capacity from Tuesday's women's quarter-finals onwards on Centre Court and No.1 Court.

... have now been given permission to operate at full capacity「収容数いっぱいで運営する許可を与えられた」

 

Wimbledon is being used as a pilot event for the safe return of crowds as part of the Government's Events Research Programme.

Wimbledon is being used as a pilot event ...「ウィンブルドンはパイロットイベントとして使われている」ですが,このpilotは,私たちは飛行機の操縦士でなじみ深い単語ですが,ここでは「試験的な」という形容詞で使われます。

programmeはprogramの英式の綴りです。

 

It will mark the first time outdoor stadiums will be at full capacity at a sporting event in Britain since the COVID-19 pandemic shut down sports in the country in March 2020.

この文の前半は普通に読んでいくとwill mark ... will be ...と動詞が2つ出てきますね。一つの文に述語動詞は一つしかないというのが原則ですので,いったん立ち止まって考えてみましょう。

It will mark the first time that outdoor stadiums will be ...というようにthatを入れるとうまくいきそうです。

It is the first time that S+V「SがVするのははじめてだ」の形が少し変わった感じです。「イギリスのスポーツイベントで屋外スタジアムが満員になるのははじめてのことになるでしょう」が前半の意味ですが,そんなわけはないので,since ...以下で期間を「COVID-19のパンデミックにより2020年3月に国内のスポーツが停止して以来」と限定しているのですね。

 

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当日券を求めるテント行列(2011年,筆者撮影)

スポーツイベントは,最もCOVID-19の影響を受けた業界の一つですが,こうやって少しずつでも伝統的な大会が元の姿を取り戻しつつあるというニュースを聞くとうれしいものです。

余談ですが,筆者も以前ウィンブルドンに観戦に行って,Queuing(キューイング:行列に並ぶ)というウィンブルドンの一つの名物となっているチケット入手方法にチャレンジしたことがあります。

前日からテントを張って当日券に並ぶという単純明快な仕組みですが,何しろ世界中からテニス好きが集まってきますので,ここでの異文化交流を目当てにやってくるファンもいるほどです。

今年はチケットがすべてオンライン販売になったため,この膨大な数のテントが整然と並ぶ光景は見られませんが,こういったオンラインにはない「リアル」な楽しみも,いつの日か戻ってくるといいなあと思っています。

 

 ロイター日本版にも同様の記事がありました。

jp.reuters.com